冠省.  朝日川柳に、これぞ川柳ともいうべき秀句が掲載されました。

    “永田町 広くて深い 芋畑”
     -千葉県 加藤安博
    
(朝日新聞、令和4年7月28日付、朝日川柳 山丘春朗選より)

    (選者の評に曰く、「あの人も この人も」。
     松江のプータロー、和して一句、 “島根県 狭くて深い 芋畑”。)

 暗愚の宰相(溝口敦評)・安倍晋三が射殺されてから三週間、この射殺事件の真相が次第に明らかになってきました。
 犯人とされている人物の手製の銃によって安倍晋三が死に至ったとされていることについては、当初から疑問が呈されていました。貴兄だけでなく、私も射殺当初から疑念を抱いていました。
 私が疑念を抱いたのは、遺体の司法解剖を行った医師の記者会見が不可解なものだったからです。医師は銃弾が首筋から入って心臓に達したと言っていたのですが、安倍晋三は踏み台の上に立って演説をしていたのに対して、犯人とされた人物は、道路上にいて安倍晋三より低い位置にいます。これでは銃弾が体内に入る入射角の説明ができません。
 この点については最近、致命傷を与えた銃弾が安倍晋三の体内に残っていなかったことが判明し、警察当局が慌てているようです。
 私は当初から、犯人とされた人物とは違う人物(おそらくは内調)によって射殺(暗殺)されたのではないかと思っているのですが、このことについては射殺直後に貴兄に電話で申し上げた通りです。

 閑話休題。冒頭の朝日川柳に和して詠んだ句、

 “島根県 狭くて深い 芋畑”

 について、蛇足ながら説明を加えます。

 令和3年までの20年間、県都・松江市に君臨していた松浦正敬・前松江市長によって、古代から連綿として続く島根の歴史的景観と自然的景観の破壊がなされてきました。経済の基盤である飫宇の海と土地が荒廃し、古代出雲文化を育んだ豊饒の海と肥沃な土壌が、荒寥とした芋畑に一変しました。芋畑に生息している企業は、国費を喰らう“ゾンビ企業”で溢れ返っています。島根県の企業のうち、“ゾンビ企業”でない正常な企業は、1%にも満たないでしょう。
 “ゾンビ企業”の代表格が、一畑電気鉄道株式会社です。この会社・一畑電鉄は、ゾンビ政体の中番頭細田博之を政界に送り出した会社の一つとして知られています。
 一畑電鉄は、昭和51年に帰松して会計士業務を始めてから数年間、補助者として会計士監査に携わった会社です。公益事業(鉄道・バス・タクシー業)を行っている会社としては当時から多くの問題点を抱えていた会社でしたが、10年ほど前から、“ゾンビ企業”の実体を公表(パブリック・アナウンスメント)せざるを得なくなっていました。会計監査上、減損会計(注1)が強制されることになったからです。

 一畑電鉄は、有価証券報告書において、この10年ほど奇妙なトリックを用いて減損処理を免れていたのです。どのようなトリックを用いて減損会計処理を免れていたかについては、平成24年3月期から令和4年3月期までの「減損会計についての虚偽表示時系列」(末尾に掲載)をもとに説明し、有価証券報告書虚偽記載・同行使という犯罪行為をしていたことを示します

 一畑電鉄のトリックは、平成25年3月期に始まっています。大谷厚郎が社長であった最後の期です。
 この期末には長短借入金が154億円あったのですが、このうちの98.7%に当たる152億円について、社長の大谷厚郎が個人保証(債務被保証)(注2)をしています。
 一畑電鉄は上場会社ではないものの、会計士監査が入って有価証券報告書の提出が義務付けられていますので、通常であれば会社の借入金について個人保証まで求められることはありません。152億円もの個人保証の裏には、まさに減損会計の強制があったものと思われます。
 平成25年3月期の有価証券報告書を見ますと、一畑電鉄グループ全体では経常収支が大赤字で、鉄道部門の巨額補助金で何とかやりくりしている状態でした。特に百貨店部門については、営業日一日当り100万円の赤字を出している惨状だったのです。財務状態については、事実上大幅な債務超過でした。銀行の貸金分類でいえば、破綻企業に限りなく近い、破綻懸念先企業であったはずです。
 このような状態が令和2年3月期まで続き、この期を最後に大谷厚郎は会長職だけでなく取締役をも辞しています。
 令和3年3月期に、会計監査人の交替があり、新しい監査人のもとで初めて巨額の減損処理をしています。つまり、遅くとも平成25年3月期には相応額の減損処理が必要であったにも拘わらず、屁理屈(債務被保証)をつけて減損処理を免れ、債務超過(破綻懸念)を隠蔽していたのです。有価証券報告書虚偽記載・同行使です。
 
 減損会計は、固定資産の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合に、固定資産の帳簿価額にその価値の下落を反映させる手続きのことです。従って、借入金の弁済能力とは何の関係もありません。社長がいくら個人保証をしようとも、減損会計の強制を免れることはできないのです。弁済能力を問題にするのは、貸付金の回収可能性を第一義に考える銀行です。一畑電鉄のメイン・バンクは山陰合同銀行ですので、この銀行の思惑がトリックの背景にあったものと思われます。
 詐欺師・中村寿夫弁護士は、一畑電鉄がトリックを用いて減損処理を免れていた期間、山陰合同銀行の監査役あるいは顧問として絶大な権限を持っていました。「債務被保証」という怪しげな言葉を用いた屁理屈といい、大谷厚郎に152億円もの保証能力がないにも拘らず形だけ連帯保証人にしていることといい、銀行の思惑が透けて見える奇妙なトリックといい、一畑電鉄の決算書作成のウラに、会計リテラシーに欠けている
詐欺師・中村寿夫弁護士の姿が亡霊のように浮び上がってきました。“前代未聞の猿芝居”の別バージョンといってもいいかもしれません。



(注1)減損会計。“減損会計(げんそんかいけい、impairment accounting)とは、資産の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合、当該資産の帳簿価額にその価値の下落を反映させる手続きをいう。減損処理ともいう。” -ウィキペディア
 “減損会計は、固定資産の含み損の処理と国際的な会計基準への調和という二つの意味を持って2006年3月期決算から適用が義務付けられている。
従来、日本の会計では、土地や建物などの固定資産は取得したときの価格をもとに評価されており、帳簿価額を切り下げる場合の明確な会計基準がなく、投資金額が回収できないにも関らず、帳簿価額で評価されている場合が多かった。
減損会計では資産をグルーピングし、そこから生ずる将来キャッシュ・フローの見積りなどによって、収益性の低下等が明らかになった場合に損失を計上することとされた。” -JICPA、分かりやすい「会計・監査用語解説集」

(注2)債務被保証。会計・監査用語ではない。会計リテラシーが欠如している弁護士(おそらくは中村寿夫弁護士)によるものと思われる。

 一畑電鉄、「減損会計についての虚偽表示時系列」(自平成24年3月期 至令和4年3月期)
(千円)
会計年度 平成24年3月 平成25年3月 平成26年3月 平成27年3月 平成28年3月 平成29年3月 平成30年3月 平成31年3月 令和2年3月 令和3年3月 令和4年3月
取締役会長     大谷厚郎 大谷厚郎 大谷厚郎 大谷厚郎 大谷厚郎 大谷厚郎 大谷厚郎    
取締役社長 大谷厚郎 大谷厚郎 今岡和志 今岡和志 今岡和志 今岡和志 今岡和志 今岡和志 足達明彦(令和元年6月~) 足達明彦 足達明彦
会計監査人 渡部一博/利弘健 利弘健 利弘健 利弘健 山川博司 山川博司 山川博司 利弘健 利弘健 黒田健 黒田健
短期借入金 5,729,315 6,000,946 5,793,464 5,567,441 7,025,116 6,689,868 7,459,672 7,320,000 6,910,835 6,157,173 7,410,971
長期借入金 9,673,153 9,495,707 8,842,839 9,392,760 11,831,146 11,395,670 11,849,295 12,050,464 13,593,631 18,618,821 21,760,645
15,402,468 15,496,653 14,636,303 14,960,201 18,856,262 18,085,538 19,308,967 19,370,464 20,504,466 24,775,994 29,171,616
                     
債務被保証(大谷厚郎氏) 15,127,365 15,250,540 14,031,880 13,696,672 14,014,404 13,509,896 10,748,442 8,482,721 6,153,372 4,839,172 該当事項なし
山陰合同銀行の、一畑電鉄への貸付残高
(千円) (千円)
短期 2,700,184 2,814,036 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開
長期 7,807,058 7,391,022 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開
                       
10,507,242 10,205,058 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開