山根さま 

コメントメール(6)です。 

山根治さま 

 貴信の公開メール9は、『闇の盾』について講評し、「・・・寺尾文孝は、中江滋樹氏を冤罪に陥れた警視庁の手先になって、中江滋樹氏の二度にわたる海外逃避を演出した人物かもしれません。中江滋樹氏を冤罪に陥れた犯人は当時の警視総監・下稲葉耕吉で、その時の法務大臣が秦野章です。寺尾文孝秦野章の腰ギンチャクでしたから、警視庁が中江滋樹氏社会的に葬るために創り上げたシナリオに深く関与していると考えられます。・・・」、とありました。 

 電子版は世界中で読めるので、早速kindleをダウンロードし、『闇の盾』を通読したところ、元警視庁機動隊員だけあって、自己を過大に英雄視した、念の入った虚飾本の典型でした。細部に正しい情報があっても、肝心な所で事実を胡麻化し、読む者に誤解を与えるように、巧妙な工作が施された、粉飾決算書と同じです。高度な偽装が施されて、素人はコロリと胡麻化されても、騙しの手口を知り抜いた、プロの目は欺けないのは、診断の達人である、名医や達人会計士の世界では、究めて当たり前の事例です。 

 それが露呈していた箇所は、「ライフル魔事件」の記述で、自分が犯人逮捕の英雄であり、凶悪殺人犯の逮捕の時に、最高の貢献者である如き、でっち上げを平然と行っています。第一章の「渋谷ライフル銃事件」に、クライマックスの記述があり、「・・・・その瞬間、私の身体が自然に反応していた。片桐に向かってタックルすると、そのまま足を掴み、押し倒して馬乗りになった。片桐の進退は思ったより華奢で、細身だった。無我夢中で腕を取り手錠をかける。気づくと上から多くの警察官が、私の身体の上に覆い被さり、犯人の行動の自由を奪った。・・・」とあります。 

これを読むと武勇伝に見え、「…一番初めに片桐に飛びついた警官が私である。」とか、「・・・NHKの人気番組『私の秘密』からの出演依頼もあった…犯人に飛びついて逮捕した人として出演して欲しいということなのだが、もちろん断った。・・・」とか、「結局、私の褒賞は賞詞に急に決まった」とあり、描写が詳細に書かれているだけに、当人が最高功労者だと誤解を与えます。 

細部が精密であると、そこに目を奪われるので、詐欺師は細部を細工して、素人を騙すのが常套手段ですが、経験を積んだプロには、子供だましだと見抜けます。安倍晋三が国会の答弁で、108度も嘘をついたが、それを偽証と糾弾せず、日本が食い荒らされた所に、国民の民度の低さがあり、亡国に至る原因がありました。 

だが、55年前に私が留学した頃、グルノーブルへの視察団員に、この「ライフル魔事件」の功労者として、警視総監賞を貰った佐々木がおり、逮捕の経緯について物語った話が、『オリンピアン幻想』の第五章(123pから143p)にあります。汚れた東京オリンピックと警視総監賞」として、戦前に陸軍の諜報機関で特殊教育を受け、中国大陸を舞台に極秘の仕事をした、佐々木という本人の口から、次のような発言がされています。 

「…警官は犯人を遠巻きにして、自動車の陰に隠れ,屁っぴり腰でピストルを構えているだけだから、犯人の逮捕なんかとても出来る訳がない。何十人もの警官が、たった一人の男を取り巻いて、地面に這いつくばってビクついている姿が、余りにも無様だから見ていられなくなり、銃砲店の方に向かって行こうとしたんだ・・・。そうしたら、自動車の陰にいた指揮官みたいのが、『危ないから隠れろ、ここはお前たちなんかが来るところじゃない』と聞いたようなことを抜かすじゃないですか。こんな程度の撃ち合いは、大陸で幾らでも見ているから、自慢じゃないが少しも驚くに当たらないし、それを怖じけている機動隊員共に任せたら、人質になっている人が可哀そうであり、助かる者も助からなくなってしまう。こう考えて隙をうかがってジリジリ接近して、犯人がちょっと注意を逸らしたチャンスを掴み、思い切り体当たりをしながら、ライフル銃を叩き落としてやりました。・・・・」 

更に佐々木さんは続けて、「…人質を無事に取り戻せて何よりだったし、犯人は刑事に取り押さえられて事件は落着です。・・・・それにしても、日本の警察はこの事件のような時には、情けないほど腰抜けです。真の勇気とは何かを連中に徹底的に教えて、考え方を根本から改めさせない限りは、警察は弱い者苛めの岡っ引きです」と言う。それに応えて形で、「・・・民営の暴力団がヤクザで、国営の暴力団が警察ですね。…」という、私の対応も残っています。すると佐々木証言として、「あの事件の後で私に『警視総監賞』をくれましたが、正直に言えばそんなものを貰うよりは、自分たちの手で犯人を捕まえなかったのだから、責任を取り警視総監が辞任してくれた方が、余ほど嬉しかった」と言ったが、これは正に名言でしょうね。 

この本には佐々木という人が、体当たりした人物として描かれ、彼が警視総監賞を貰っているのに、寺尾は片鱗も登場させず、自分の手柄話の形で、美談に仕立て上げています。この種の捏造法は、『日本書紀』を編集した、藤原不比等と同じ悪質なもので、自分にだけ都合のいい、事実の隠蔽にほかならず、でっち上げの典型に属しており、その蔓延は野蛮を象徴します。 

しかも、元警視総監で法相になった、秦野章の秘書官になった寺尾は、その人脈で多くの利権に関与し、事業拡大しフィクサーとして、裏世界の紳士にコネを作ります。そして、警察OBの人材派遣業をやり、その手柄話を微細に披歴して「・・・日本リスクコントロールを立ち上げて以来、会社の営業をしたことは一度もなく、ホームページも作らず、電話番号の紹介もしない…」と最後に宣っていますが、この本全体が宣伝文の集積です。 

警察や検察のベテラン官僚は、細かい事実で飾り立て、いかにも正しいと見せかけ、肝心なことの隠蔽し、でっち上げる名人揃いだが、こうして権力者の歴史が書かれます。「もりかけ事件」や「桜を見る会」で、隠蔽や改竄が続発し、国会で偽証した安倍や佐川は、起訴されることなく、やりたい放題をし尽くし、日本の社会を食い荒らしました。 

1970年代末の頃ですが、人工衛星を使った探査に関し、関西経済同友会で講演し後で、同じ話を自衛隊の陸相から、防衛大学校の学長に話して貰えないかと頼まれ、私はて浦賀に行きました。そして、二時間ほど解説した後で、昼食を食べて欲しいと言われ、「わが校の学生たちには、三割の麦飯ご飯と、柔道と剣道の訓練により、厳しく鍛えている」と言われ、人工衛星が飛び交う時代に、何たる時代錯誤かと呆れた話は、『教育の原点を考える』に書きました。 

その時の土田国保校長は、警視総監をやった人で、真面目な性格で知られ、剣道七段の達人だったが、自衛隊がポリ公発想に、支配されていた』のでは、日本の安全保障はダメですね。だから、こんな問題意識を批判して、『さらば暴政』の第四章に、「軍隊を警察官僚が支配し、国会が幼稚園になった悲劇」と題し、世にもお粗末な政治を論じています。 

だが、大兄が指摘している通りで、秦野章、下稲葉耕吉のような、警視総監上がりの官僚と組み、検察官僚の横行により、日本の政治は乱れ切り、腐敗政治家が君臨する時代です。『ゾンビ政治の解体新書』で、分析しているように、定着したボリシェビキ体制は、日本を暗黒社会に作り替え、官邸の中枢は公安が支配し、ヤクザ体制と一体化しています。 

だから、『闇の盾』の読後感には、既視感(デジャ・ビュ)、が強烈で、寺尾文孝という男のイメージが、安倍と菅のコンビに、二重写しの形で現れ、ゾンビ国家を彷彿とさせました。安倍は工藤会を使い、下関に君臨していたし、菅は稲川会の舎弟として、横浜に砦を築き上げると、日本を食い荒らしたが、この二人の頭脳力は、元は同隊員のレベルで、ヤクザ政治しかやれません。 

チンピラからパタヤになり、ヤクザの舎弟となって、詐欺商売の手口を学び、代議士の秘書から議員に化け、機動隊員レベルの男が、遂には首相に出世する国。そんな具合でゾンビ政治が続き、国民の命はほったらかしで、東京五「臨終」大会に、のめり込んでいる現状は、「疫病神」の天下であり、『闇の盾』が書店に並び、国民は騙され続けています。 

肝心なことは抹殺して、どうでも良いゴミ情報は、詳しく書くことにより、『闇の盾』は一見すると、情報を含むように見え、浮薄な者に喜ばれても、実態は日本の産業廃棄物です。しかも、産業廃棄物ならば、埋め立て地用に使い、安倍や菅の利権として、活用法があるにしても、内容が「痰つぼ」と汚物なら、伝染病の巣窟だから、焼き払うのが最良でしょう。