私は、NHKのマル暴担当のA記者に電話した。令和2年9月30日のことである。
 NHK「ニュ-スウオッチ9」で放映された、中江滋樹さんの死去をめぐる番組に違和感が残っていたからだ。
 中江滋樹さんが、昭和59年8月24日の警視庁生活課による強制捜査を受けてから、36年になる。その間、ほとんどのマスメディアが、「詐欺師」という犯罪人扱いをしてきた事実がある。NHKも例外ではない。
 ところが、令和2年6月16日の「ニュ-スウオッチ9」のキャスタ-は、一転して、犯罪人扱いをやめ、「中江滋樹さん」と、「さん付け」で放映していた。
 何故だ?私はこの3ヶ月間疑問に思ってきたのである。

 放送内容には、事実に反すること、あるいは事実を捻じ曲げたところはなかった。放送内容にクレ-ムをつけている訳ではない。
 キャスタ-は自らの口で、「さん付け」に至った事情を明らかにし、この36年間、NHKが中江滋樹さんを詐欺師という犯罪人扱いにしてきたことに対するお詫び(わび。申し訳なかったとあやまること)の一言があってしかるべきであった。
 中江滋樹さんの雪冤(せつえん。無実の罪をすすぎ、潔白であることを明らかにすること)をすることができるのは、私しかいない。事実(ファクト)を明示して雪冤できるのは私以外にはいない。雪冤のためにもっともふさわしいものとしてNHKのA記者に公開したのが、中江滋樹さんから受け取った遺言であった。前回述べた通りである。

 あの「遺言」の中には、雪冤のためには欠かすことのできない人物の名前が記されていた。

 槙枝一臣弁護士だ。

 中江滋樹さんは、死ぬまで槙枝一臣弁護士に騙されていることに気づかなかった。むしろ、大変お世話になったとさえ思いこんでいた。


 
  槙枝一臣弁護士も、中村寿夫弁護士も共に、『逆(さかさ)冤罪を創る人々』のキ-マンであった。冤罪捏造の犯罪人ということだ。


        
                                  (この項つづく)

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 ここで一句。

“悲しいな 花も咲かずば 切られまい”
      -千葉ペンギン
(毎日新聞、令和2年10月4日付、仲畑流万能川柳より)


(”徒花(あだばな)を 咲かせたサルが 一人消え”-松江のプ-タロ-)

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