NHKのA記者から、速達便で令和2年6月15日に放映された「ニュ-スウォッチ9」のDVDが送られてきた。令和2年10月6日のことである。(「中江滋樹さんは、冤罪被害者であった-①」参照のこと)DVDのタイトルは、「“兜町の風雲児”中江滋樹さん」となっている。
ニュースウォッチ9の有馬嘉男・メインキャスターのナレーションが始まった。
“今から30年以上前、バブル前夜の日本で、投資家として巨万の富を築いた中江滋樹さん。当時世間をさわがせ兜町(かぶとちょう)の風雲児と呼ばれた人物です。
その中江さんが、今年2月、一人で暮していた都内の6畳一間のアパ-トで、火災のため、66歳で命を落しました。
(メインキャスターから女性のキャスターに変って)
バブルの栄光と転落を経験した中江さんが最後に残した言葉です。”(太字は筆者。)
中江滋樹さんからの「遺言にかえて」とした私宛の手紙については、8分程の番組の中でわずか20秒弱、つけたし程度の扱いであった。この手紙は、NHKのA記者が、令和2年3月11日と12日にかけて、わざわざ松江に取材にきた時に、開示したものだ。
“生前、遺書として知人に宛てた手紙です。(太字は筆者)
として、私宛の中江滋樹さん直筆の手紙がチラッと映し出され、その内容の説明が始まった。”(手紙の全文は、「中江滋樹氏からのダイイング・メッセージ-⑰-見えてきた裏の構図-(8)」参照のこと)
「再起はもちろんのこと、人生そのものを諦めて、一日一日を、何とか、自分を騙し、騙し、生きております。」
NHKはなんという報道をするのか。しかも、「ニュースウォッチ9」は、NHKの報道番組を代表する番組だ。報道された内容に嘘・偽りがある訳ではない。しかし、何かがおかしい。
36年前、NHK・朝日新聞をはじめ、全国の大手マスコミが中江滋樹さんに対して、どのような報道をしたのか。大衆投資家を騙して巨額の利益を得た詐欺師、詐取した金で芸者遊びをしたり、有名歌手を愛人にしたりと、酒池肉林の豪遊を繰り広げた、詐欺師、ペテン師と口を極めてののしったのではなかったか。
大手マスコミの報道は、中江滋樹さんが亡くなるまで36年間続いた。思い出したように取り上げられるのは、「あの人は、今」といった形で詐欺師・犯罪者として取り上げられるだけであった。
上記、キャスターの発言の中で、太字をした全てがおかしい。何故なのか、私はA記者に電話で問い質した。令和2年9月30日のことである。(「中江滋樹さんは冤罪被害者であった-②」参照のこと)
(この項つづく)
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ここで一句。
“新政権 大震災も拉致も消え”
-秦野、てっちゃん
(毎日新聞、令和2年10月13日付、仲畑流万能川柳より)
(消えていません。過去の事実(ファクト)は、政権がいかなる言い訳をして消そうとしても、未来永劫、消えることはありません。 -松江のプータロー)
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